「たばこ」はトマト、ナス、ジャガイモと同じナス科の植物である。その起源は、アメリ大陸のボリビア周辺としか分っていないようである。現在、たばこの種類(たばこ属植物)は、世界で65種発見されており、主に、アンデス山脈とそれに連なる標高400m~4,000mの砂漠から山地に分布している。
オーストラリア大陸でも20種余りの野生種が発見されており、かつてアメリ大陸と陸続きだったという地球の歴史をたばこの野生種が証明している。
メキシコにあるマヤ神殿のレリーフに、たばこを喫う神像が刻まれており、古くから喫煙の風習があったことは確かのようである。
歴史上でたばこがわれわれの前に姿を現したのは、コロンブスの新大陸発見のときである。1492年10月12日、西インド諸島のサンサルバドル島を発見したとき、この島に住むインディオたちがコロンブスに贈った贈物の中にたばこの葉があったという。キューバに着いたときは、インディオの喫煙を目撃しコロンブスに報告している。